建て主の方にも設計のプロセスを一緒に楽しんでほしいと思います。設計の正解は一つでないので、より良い解を探すためケーススタディを提示し相談しながら設計を進めます。敷地にはそれぞれ特徴があります。その特徴を生かすことが大切で、最終的には建て主の予想を超える魅力的空間を提案することが建築家の役割です。
この建築家のWebサイトへ診療所併設の木造住宅。リビングは南庭と北の露地の庭に開く2層吹抜き。中央に上下に発光するブリッジが渡る。露天風呂となる浴室、庭を借景する茶室の床の間などもある。診察室は北庭に面する。
北側が神社という好敷地に建つ住宅。神社の杜を借景する水平の「杜の筒」にLDがあり、トップライトの光と風が通る透明階段「天空の筒」が垂直に寄り添う。(パッシブデザイン(環境設計)コンペ入賞)
ミニコンサートホールを持つ住宅。柱、梁のない木造折板構造で屋根を地上まで折り曲げ、柔らかく木で包まれる空間とした。音響は良好で遮音性能も確保されている。将来は2世帯住宅にもできる。
池の南庭、屋上の庭、茶室の北庭という3つの庭に各部屋が面する住宅。床座の居間は建具を全開にして南北の庭に開くことができる。木製建具は上下枠を隠し、天井照明は消すと和紙天井の裏に消える。
北軽井沢の木々の中の生活を楽しむ山荘。1階はワンルームのLDKで7.2mの広い開口から木立の広がりを見る。2階は4方向開口で梢の中に浮かぶ空間。浴室建具は全面開放で露天風呂となる。
『空間の繋がり、広がり』で差別化し長期に競争力がある賃貸住宅。上階の住戸は欄間がすべてガラスで大きな勾配天井がダイナミックに見渡せる。下層は容積割増しの地下を造ってメゾネットとした。
経歴(加藤 隆久)
1968年 開成高校 卒業
1974年 東京大学 工学部建築学科卒業 卒業
1974-1976年 丹下健三・都市・建築設計研究所
1978年 東京大学大学院 工学系建築学修士課程 修了
1978-1994年 株式会社 日建設計
1995年 加藤隆久都市建築事務所 設立~現在に至る
2005-2020年 明星大学理工学部建築学系 教授
受賞歴
1976年 セントラル硝子国際建築設計競技 最優秀賞 1976年
1976年 日新工業建築設計競技 2等
1984年 建設業協会(BCS)賞 第25回 (新宿NSビル)、
1996年 建設業協会(BCS)賞 第37回 (聖路加ガーデン)、
1999年 建設業協会(BCS)賞 第40回特別賞 (新宿南口JR・小田急共同計画)
2006年 日本建築家協会優秀建築選 (F邸)、
2006年 日本建築家協会優秀建築選 (ラオス小学校計画)、
2010年 日本建築家協会優秀建築選 (O邸)、
2010年 日本建築学会賞(業績) (ラオス小学校計画)
2010年 ラオス人民民主共和国 友好勲章
2011年 パッシブデザイン(環境配慮設計)コンペ 入賞
2014年 日本建築家協会優秀建築選 (北軽井沢山荘)
(2021.7.31 更新)