「朝食の支度をしていると、東の高窓から日の光がキッチンへ差し込んできます。あぁ、こんなところも建築家は想像していたんだと思います。」と笑顔の奥様。住むほどに建築家の設計の妙が分かる、そんな家をご紹介します。
妻の育休中に思い切って建て替え
Uさんご家族は、空き家になった祖父母宅をリフォームして住んでいらっしゃいました。ご祖父様は建築家だったそうで、高い天井を持つ平屋で、和風の門構えがなかなか良い感じのお住まいだったそうです。とはいえ、築60年経ち、いずれは建て替たいとお考えだったので、奥様の育休中に、思い切って着手されました。
ライフスタイルや価値観にフィットする建築家探し
使い勝手とデザイン性にこだわりたいU様は、最初から建築家との家づくりをお考えでした。そこで建築家3名を選んで、間取りのコンペを実施。ご自身達が書き上げたライフスタイルシートを、ヨレヨレになるまで読み込んで、見事設計に落とし込んだ建築家の山中氏と一緒に仕事をしたいと思われたそうです。
完成したお宅をご紹介します。
● 外観~玄関
塀を少しセットバックして、緑地帯を設けています。地域に馴染む優しい外観です。アプローチも良い雰囲気ですね。玄関を入ると左手にキッチンが見えます。
● キッチン・リビング・ダイニング(1F)
左上から1、2枚目はリビングから見たところ。3、4枚目は反対にキッチンから見たところです。キッチンからは中庭も見えて気持ち良くお料理できます。お子さん達がどこにいても、見守ることができますね。
● 中庭(1F)
リビングから中庭を見たところ。大開口の窓なので、リビングと一体となって使えます。屋根の軒の下は砂利になっていて、雨樋を通るのではなく、雨粒がきれいに落ちるようになっているそうです。
● 水回り・和室(1F)
お洒落な洗面ボウル越しにキッチンが見えます。2階へ上がる階段脇には小さな和室があり、風邪などひいて体調の悪いお子さんを寝かせるのに、ちょうどよいスペースだそうです。
● 個室(2F)
2Fには個室があります。子供部屋は将来は間仕切ることができますが、今は広く使っていらっしゃいます。
●所在地:東京都 ●家族構成:夫 妻 長男 次男 ●敷地面積:207.37m2(62.84坪) ●延床面積:119.24m2(36.13坪) ●構造:木造軸組工法 ●竣工年月:2016年9月 ●設計:山中祐一郎(S.O.Y.建築環境研究所 担当:ジャック・リーバー) ●施工:山崎工務店 ●撮影:大槻夏路 ●掲載誌:住まいの設計 2019年12月号