ご主人の実家を二世帯住宅に建て替えた事例です。周囲には家が密集しており、3階建ても増えてきたエリア。Mさんも3階建てにしつつ、1階まで光が届くように、建築家が設計しました。
担当したOZONE住まいづくりコンサルタントが、家づくりをご紹介します。
建て主さんの家づくり計画
ご主人の実家を建て替えて、80代のお父様と、50代のご主人夫婦、中学生のご長男で一緒に住まわれる計画でした。ご希望は、明るく、シンプルで、暑さ寒さに強く、風通しのいい家。周囲に家が密集している中でも1階まで光が届くこと。そして、お父様にとって快適であることと、適度な独立性も希望されていました。
建築家の設計の工夫
新居の3階は家族が集まるLDK、2階は子世帯の個室、1階はお父様の部屋と大きな図書コーナーになりました。もちろんホームエレベーターもつけています。光を1階まで届ける工夫として、白くてオープンな螺旋階段と吹抜けを作り、安定した光が入ってくるようにしています。
また水回りを含む全室にヒートポンプ式蓄熱床暖房をつけたので、寒がりのお父様も心地よく過ごされているようです。
OZONEのサポートで気づいた「家事と間取りの関係」
ご友人からOZONEのことを聞いてお越しいただき、高い専門性と対応力を感じて、サポートをお申込みいただいたそうです。
コンサルタントと、新居の要望をまとめる「計画の整理」では、共働きでお忙しいので家事を効率化したいことを挙げられ、そのためには、動線(設計)が大きな役割を果たしていることに気づかれました。
建築家の磯部さんに決めるまで
その後、3人のベテラン建築家に会って「計画の整理」でまとめた要望を伝え、1か月ほどで間取りの提案をもらいました。家事動線の違いにも注目しながら、多様な要望をまとめ上げた磯部さんに心が動かされたそうです。ちょうどその頃、磯部さんが設計したお宅のオープンハウスがあり、性能も良さも実感されて決められました。
●外観
シンプルな箱型デザイン。2-3階が木造、1階と地下収納がRC造。
屋上には気持ちのよいテラスもあります。
屋上のフェンスの向こうには
発電量4kwhの太陽光発電パネルを
搭載しています。
●3階:家族が集まるLDK
同時に三人も横になれるビッグサイズのソファがあり、くつろげそうです。
また家事動線がこの階に集中しています。キッチン、大型パントリー(近くにエレベーターがあり食材の運搬もスムーズ)、洗濯室とサンルームが揃い「家事が同時進行でき、時短になります」と奥様。
●2階:子世帯
下の階へ光を届ける重要な役割を担っているのが、白くてオープンな螺旋階段と隣接する小さな吹き抜け。安定した光が届きます。2階には子世帯の個室や浴室などがあります。
●1階:図書コーナーとお父様の部屋
大の読書家である父とご主人の愛蔵本がぎっしりと収められている図書コーナー。「親子の愛読書を読み継いでいけたら・・・」とご主人。階段のそばにあり、家族が立ち寄りやすくなっています。
またお父様の部屋には、冷蔵庫やミニキッチン、洗面、トイレもあり快適。おじいちゃんと大の仲良しの息子さんが、よく一緒に過ごしているそうです。いい光景ですね。玄関にはベンチもつくり、お父様が腰かけて靴を履けるようになっています。
(2019.6.17記)
●所在地:東京都 ●家族構成:息子さん家族(50代夫婦、お子さん一人)、父親80代 ●敷地面積:108.47m2(32.87坪) ●延床面積: 171.74m2(52.04坪) ●構造:RC造+木造軸組工法 ●竣工年月:2017年3月 ●設計:磯部邦夫(アーキショップ一級建築士事務所) ●施工:山菱工務店 ●撮影:大槻夏路 ●掲載誌:住まいの設計 2019年6月号
ご主人の実家の建て替えを検討。ご一緒に住む二世帯住宅にすることに。
ハウスメーカーへ行ったこともあったそうですが、間取りにもっと提案や工夫がほしいことに気づき、建築家との家づくりのご相談にいらっしゃいました。
11月に面談、12月に3人の建築家による「プラン提案コンペ」。最終的には、建築家の実作をみて、空調方式などの性能を体感して決められました。
建て主さんと建築家の磯部さんは、とても良好な関係で、連絡も密に取り合っていらっしゃいました。
OZONEの現場確認員も行き、「RC+木の混構造住宅で、地下あり、障害物あり、道路は狭く、突き当り敷地のほか、条件的にも技術的にも難しい工事ですが、建築家、施工会社がうまく対応し、施主の要望と期待にそって、完成となった住宅」と安心していました。