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住まいの事例

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貸店舗・レッスン室のある都市型住宅

街中でのご計画の場合は、自宅だけでなく、賃貸部分(今回は貸店舗)を伴う計画も多くなります。

また、設計以前の諸条件が複雑で、直ぐには進めない場合もありますので、建て主さまにとっては、どなたにお願いすれば良いかが大きなお悩みどころでしょう。

こちらの建て主様からお話を聞いた際にも、長いお付き合いになるであろうご計画でしたので、実績と相性を踏まえて2名の建築家をご紹介し、最終的に、アーキショップ一級建築士事務所 磯部邦夫氏が選ばれました。

敷地は都市の中心部にあり、住宅と商業施設が混在しているエリアです。周囲には3階建ての病院や住宅が建っています。建築家は周りからの視線に配慮し、周辺に開放する度合いを調整して、住みやすい住環境をつくらなければなりません。


また、建て主様からは、下記の与条件がありました。

●将来、東南角地部分の敷地分割が可能なこと。

●住宅、レッスン室、テナント(調剤薬局16坪)、駐車場が必要



これらを勘案して、建築家は敷地を読み取り、解決方法を導き出しました。

◆敷地分割範囲を避けて、建物は東側に寄せる。分割される西側は駐車場にする。

◆西側の駐車場と建物が対立せずに馴染み、敷地分割部分に将来建物が建設された場合でも環境が守られる様に、駐車場と建物の間にバッファゾーン(アプローチ通路)をつくる。

◆南側からアプローチする場合、テナント→レッスン室→住宅という順に、プライバシーを強めていく。




そうして建ち上がった建築がこちらです。

●西側駐車場、バッファゾーン(アプローチ)

9.jpg植栽帯で駐車場を2つに分け、
背後の建物と馴染むようににしています。

駐車の向きは貸店舗がある右側が横向き、
住宅がある左側が縦向きと分けています。

「植栽を配して、
 駐車場が広く殺伐と見せないようにする」
「将来、駐車場部分を切り離しても、
 バッファゾーンで相互干渉を抑える」
など、設計上の工夫が際立ちます!

バッファゾーンの端部は、住宅専用の広めのポーチになっています。
植栽帯は2階から見下ろすことができ、最上階のキッチンからも見ることができます。
W350 door.jpg     W350 植栽帯.jpg


●南道路側のテナント(白い部分が処方箋薬局)



●レッスン室 ご自宅には広さ40畳のレッスン室があります。

●玄関/ご主人の仕事部屋
W350entrance13.jpg W350study29.jpg


●リビング・ダイニング・キッチン 最上階は明るいLDK+和室がテラスを囲んで配されています。

反対側から見たところ。左側の高さを抑えた庭は、強い西日をカットしながらも、採光と通風、インテリアの広がりを得る坪庭です。右側はテラスになっていて、自然とつながった開放的なダイニングです。

●和室
LDKと連続した和室は同じ床レベルですが、手前側は20センチほどの小上がりになっています。

●テラス
広いテラスは空に開かれ、街中でありながらも外からの視線を気にすることなく、LDKや和室に光や風を感じさせてくれます。食事をしたり、リゾートチェアを置いて日光浴を楽しむ大切な外部空間となっています。


《建て主さまから》
私たちがOZONEを訪れたのは建て替えを考え始めた最初期でした。そして磯部さんをご紹介いただき、磯部さんには敷地が確定する以前から相談に乗っていただくことになりました。建築に取り掛かる前の段階で解決しなければならないことが少なくなかったのですが、磯部さんは建築家の立場でそのひとつひとつにアドヴァイスをくださり、その度に私たちは大いに力づけられました。設計を詰めるプロセスにも多くの時間を割くことができ、相反する複数の要求を兼ね備えた機能的で居心地の良い住宅が出来上がりました。

OZONEを訪ねる以前には住宅メーカー数社とも意見交換をしたのですが、私たちが希望することは一向に形にならず、それがOZONEを訪ねることになった一番の理由です。今はコロナ禍で長引く自粛生活の真っ最中ですが、この家のお陰で息が詰まることも無く、家族全員が快適に過ごすことができています。よく考えられた家は、生活の前提が大きく変わっても十分に対応してくれるのだと言うことを知りました。


《建築家から》
都心部でのテナントスペースも含む住宅の計画でしたので、将来にわたる敷地の利用計画や、変化する敷地周辺環境の条件整理が必須となりました。

住宅部分については、多くの書籍を納める仕事部屋やレッスン室といったプラスの用途に加え、今までのお住まいにあった問題点を改善して、気持ち良く住めるように、明るく風の抜けるリビング、プライバシーのある広いテラス、ご高齢のお母さまに対する配慮、調理や洗濯・乾燥・外干しといった家事動線の短縮等、これらが主な計画のテーマとなりました。

外的な要因や多用途であることから、それぞれに解決しなければならない課題があり、基本設計をまとめるまでの時間がかかりましたが、その分、建て主ご夫妻と多くの貴重な時間を共有できたことで、具体的なご要望が上手く計画に反映されたように思います。

完成して2年が経ちますが、大切にお住まいになって頂き嬉しく思っています。これからもこの住宅で過ごす時間が、快適で豊かであるように願っています。

詳細情報

●所在地:東京都 ●構造:地下1階・RC造、地上3階・木造  ●延べ床面積:320.05㎡(96.81坪) ●コース申込日:2015年6月 ●実施設計:2017年10月~2018年4月 ●工事期間:2018年5月~2019年2月 ●担当コンサルタント:村松葉子(文)●設計:磯部 邦夫(アーキショップ 一級建築士事務所)(敷地周辺図・ゾーニング図・写真提供) 

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