曲がり屋の平屋に、和洋3つの庭。どこにいても自然を感じる美しいお宅です。
家づくり計画
「たぶん自分達で建てる最後の家になるので、できるだけ要望を反映させたい」と願い、展示場を見学されていましたが、最終的には「楽しめる家、面白い家にしたいので、建築家に依頼したい」とお考えになりました。
「別荘のような心地よさ、庭と建物が一体化した気持ちの良い家」がお望みでした。
建築家の遠藤さんに決めるまで
建築家・遠藤誠氏を選んだ理由は「今度の家は庭を含めて一つの住処として考えていました。リビングからの眺めを一番想像でき、落ち着きがある中にも面白さも感じられそうな家が望めそうというのが一番の選定理由です。」とのこと。
建築家・遠藤氏からは「僕も大好きなフィン・ユール(デンマークの建築家、家具デザイナー)の椅子を置きたいというのを聞いて、その空間を設計したいと思いました」と後からうかがい、相性の良さを再確認しました。
建築家の設計の工夫
(収納)今までのお住まいで「収納が少なく暮らしにくい」という不満をお持ちでしたので、このお宅では玄関収納、ウォークインクロゼット、パントリー、個室収納、書庫、外部倉庫など、必要なところに収納を設置。とてもすっきり暮らしていらっしゃいます。
(庭)「庭と建物が一体化した住まい」がご要望だったので、リビングから眺めるメインの庭、キッチンダイニングから眺めるバラの庭、玄関の坪庭という3つの庭を建築家が設けました。ご主人は「家の中を歩くと、庭との関係でどの部屋からも違った景色が楽しめ、飽きることがありません」と、嬉しい言葉をいただきました。
完成したお宅をご紹介します。
●玄関ホール
玄関を入ると目に飛び込んでくるのが、この畳の前室と坪庭。しっとりとして落ち着いた空間です。
●リビング
庭に向かって天井が低く勾配していくリビング。左手の壁がいつの間にか外壁になっていくので、自然に囲まれているような心地よさを感じます。お気に入りのフィン・ユールの椅子に腰かけて、ゆったり過ごせる空間です。
●メインの庭
リビングから見える庭には、アウトドアのファーニチャーを設え、リゾート気分が味わえます。庭から見るリビングもきれいです。© Kenji MASUNAGA/MASPHOTO
●キッチン、ダイニング
「少しこもった感じもあり、とても居心地の良い場所です」と奥様のお気に入りの場所。キッチンは、OZONE6Fにショールームがあるウッドワンのもの。コーナー窓の向こうにはバラの咲くお庭が見えます。
●バラの庭
奥様の趣味のバラ園。木の外壁部分がダイニングキッチン。忙しい合間に手を入れられ、今は20種類ほど育てているそう。アプローチのような細長いスペースで、歩きながらも愛でることもできます。
●外観
奥に3つも庭が内包されているとは思えない、控えめな外観です。© Kenji MASUNAGA/MASPHOTO
●所在地:静岡県 ●家族構成:夫50代 妻50代(取材当時) ●敷地面積:522.04m2(158.19坪) ●延床面積: 203.08m2(61.54坪) ●構造:木造軸組工法 ●竣工年月:2017年12月 ●設計:遠藤誠建築設計事務所 ●撮影:大槻夏路、益永研司写真事務所 ●掲載誌:住まいの設計 2019年8月号
家づくりの情報を得るためにOZONEを訪問。「まだ漠然とした状況でしたが、様々な話を聞けて少し安心できました。」と奥さま。
「要望を整理するためのライフスタイルシートは、結構量がありましたが、自分たちがどういう家に暮らしたいのかよく分かりました」(ご夫妻)。
3人の建築家と面談したのちプラン提案コンペへ。「建築家のコンペでは、模型を含めた提案が分かりやすく、イメージが膨らみました」とご主人。
「こういう家で暮らしたら楽しいだろうな、と率直に感じました」(ご主人)。「快適そうな家事動線も高ポイントでしたね」(奥さま)。
夫妻は休日のたびに現場を訪れ、工程を楽しく見守ったそう。「近くに住む母や妹家族も完成をとても喜んでくれました」とご夫妻。