施主のA様は
『ハウスメーカー何社かにプランを作成してもらったが、旗竿地で3住戸いれるのは難しいようだ。長屋形式の3階建て提案では良いプランが出てこないし、賃貸2戸として設計を依頼すると2世帯住宅のような提案しか出てこず、希望に合わない。』
というお悩みでOZONEへ相談にいらっしゃいました。
より工夫した間取りや使い方の提案を期待し、依頼先を建築家に変更。
賃貸集合住宅計画のサポートとして、フルコースをご利用頂きました。
高田馬場駅からほど近く、大通りから脇道に少し入った落ち着いた住宅街にこの共同住宅は建っています。相続した土地を賃貸にして活用したい考えですが、道路からの間口の狭さが集合住宅の設計を難しくしていました。
そこでOZONEでは3名の建築家の方々と面談、建築家ならではの解決方法をアドバイス頂き、コンペ形式でプラン提案を頂くことで、ベストな敷地の活用方法を探ることになりました。
デタッチメント・アパートメントという発想
最終的にA.L.X.三幣 順一氏の提案による共同住宅(SOHO)案に決定。
小規模賃貸のため、事業収支を考えると構造は木造が良いのです。しかし賃貸間の≪遮音性能≫が大きな課題となっていました。
三幣氏の提案は、3つのメゾネット住戸が手前から奥に3戸並ぶ構成。上下階は同じ借主用の住戸とし、木造床の弱点に対して予算をかけずにカバーしています。
隣の住戸間とは接する壁面を最低限とし、接している壁面は構造が独立した2重壁にして縁を切ることで、各住戸間の遮音性能を高める提案です。
三幣氏からは、あえて容積率を余らせて無理のない範囲の賃貸運営をするという提案もあり、建て主様の肩の荷が軽くなりました。
魅力的なプランとデタッチメントという発想がA様の心を動かしたようです。
完成した空間
◆Aタイプ(道路側)
1階は前面道路に大きく開口がとられています。この住戸は設計者がご自身の設計事務所として借り受けることに。場所柄や洗練された建物効果もあって他の2戸もSOHO、住居として借り手が決まったとのことです。
◆Bタイプ(中央)
奥に専用庭があり、植えられたモミジに向けて窓が配されており、2階の窓からは梢が楽しめます。外からの視線を全く気にする必要がありません。秋には紅葉が美しいことでしょう。
◆Cタイプ(一番奥)
隣地の塀があるおかげで、隣からの視線は遮られます。植栽した樹木は葉色が明るい樹木が選ばれていました。これから緑が豊かになると、景色が良くなりますね。