郊外にあるご実家の敷地内に、家族4人で都内から住まいを移し、新築するご計画です。
当初は建築家か工務店か、というお話でした。
いくつか候補を上げてお伝えし、その後ご自身で各建築家、工務店を訪問。
最終的に決めたのは、建築家の東 信洋さんでした。
建築関係のお仕事をされているご夫妻。
東さんの作風はもちろん、建築へのこだわり、センスの良さ、そして人柄にも惹かれるものがあったのだと思います。
平屋でシンプルにつくるという希望がある中で、2階を作ることになり、
家の外観がどうなるのか、実はとても気がかりでした。
和の要素を入れシックにまとめた広い土間には、
存在感のある沓脱石(くつぬぎいし)が
設置されています。
キッチン横からさらに奥へと延びる廊下には一面の収納をつくり、その裏には水廻りを配置しました。
平屋をイメージした作りの悩みである「動線が長い」をうまく解決しました。
新しい暮らし方で、それぞれが気持ちよく過ごせる家が出来上がりました。
ここから、日々の想い出と共に成長する家となることでしょう。
私が設計する住宅は敷地がコンパクトなことも多く、配置もおのずと絞られることが多いのですが、今回は自由度が高いぶん選択肢が多く、考えた末に南からの採光を十分に活かせるよう各部屋を東西に配置するシンプルな計画となりました。結果として解体前の築100年の住宅と同様な配置になっています。
ご家族がともに過ごせることを重視し、大きなリビングを中心に各部屋がつながる間取り・ディテールの工夫をしました。
以前ご家族は賃貸マンションにお暮しだったため、お嬢さんから「今度のお家は階段が欲しい」という要望をいただきました。リビングと子供部屋をつなぐ階段が、この家の主役の一つになっています。
建築主さんご夫妻は、住宅ではないですが建築の設計に関わる仕事をされていて、間取りへの理解や要望が明解で、選択される素材のセンスも私と近いものがあり、楽しくスムーズに計画を練ることができたと思っています。
●所在地 埼玉県蓮田市 ● 敷地面積 1433.80㎡ ● 建築面積 137.26 ㎡ ● 延床面積 153.60 ㎡ ● 家族構成 夫婦、子供2人 ● 竣工年月 :2021年 2 月 ● 設計 建築家 東 信洋 (space fabric一級建築士事務所) ●施工 山崎工務店 ●住まいづくりコンサルタント 村松葉子・渡邉理恵(文)