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住まいの事例

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ニワビラキ ノ イエ ―"モノ"から"コト"へと広がる可能性を探求して―

OZONEのリノベーションセミナーに当日参加された60代の女性T様。働き方や暮らし方などが多様化する現代社会を考える協会の活動に携わっています。吉祥寺駅からバスで10分・徒歩で20分ほど、井之頭公園を超えて三鷹の森ジブリ美術館の少し先に7年ほど空き家になったT様のご実家がありました。
庭に松、柚子の木があり、近所の方が水やりをしてくれているそう...。お礼に柚子の実をお配りしているご近所付き合いがあるそうで、この土地にとても愛着があります。そこでこの場所を何かしら活用し、ご本人の事務所・貸しスペースのほか、場合により2階は賃貸住宅にしてはどうか...。とのT様からのご相談から家づくりが始まりました。

POINT
空家活用のオープンハウスにコンサルタントがご案内

折しも、建築家の久保和樹氏の「KICS House」(空家活用)のオープンハウスにOZONE住まいづくりコンサルタントが参加する予定になっていました。オープンハウスをされるお宅は、現在陶芸家が借りており、1階の広く土間にした部分は、アトリエスペースになっています。賃貸にもかかわらず≪土間≫という特化したポイントがある理由...。それは元々リノベーションによって基礎部分の耐震強度を上げることに起因しているのだそうですが、特徴のある賃貸物件をつくることで、事業として上手く展開されています。

つまり"≪土間≫を必要とする賃借人はどのような人か"という、より具体的なペルソナを展開することで、ちょっと特別な借り手の心を掴むことができているのです。

T様をオープンハウスにお誘いし、設計者の久保氏や不動産会社から直接お話を伺えたことで、T様のご実家の空家活用が一歩前進したことは確実です。

その後は、リノベ資金として東京都の女性・若者・シニア創業サポート事業をT様が受けられるように、久保氏と計画を進めていくことになりました。OZONEでも、提出用の申請書類の資料作成依頼の際にT様からのお問合せに対して対応するなど、計画途中にもサポートを続けていました。

建築家が命名した≪ニワビラキ ノ イエ≫

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ご近所の方にも親しまれている松、柚子の木が植えられた庭を活かしたい!とのことから、最終的な計画では1階を広い貸しスペースとしました。そして敢えて玄関からではなく地域に親しまれ開かれた庭から直接貸しスペースへアプローチできるようしました。庭は自転車を停めてもらう場所にもなっています。角地をぐるりと囲っていた古い大谷石の塀は強度が不安なため上部を切りとって低くし、一層庭が大きく開かれた印象となりました。

建築家の久保氏からは、『ニワビラキ ノ イエ』という素敵なネーミングのプレゼントがありました。

ニワビラキ ノ イエのHP:https://niwabiraki.jp/

完成後のオープンハウスとイベントの開催

―東京経済大学 地域創生ゼミの学生さんによるフロッタージュ―

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T様からは「予定どおり11月からオープンできますので、11月2日午後と3日午後に、どなたでも気軽に見学していただける、オープンハウスを開催します」とのご連絡をいただきました。11月3日の午後は、東京経済大学 地域創生ゼミの学生によるフロッタージュ(こすりだし)のワークショップが開催されました。

落葉を使ったフロッタージュを制作するため、初めに学生と参加者のご家族、地域創生ゼミの渡邊先生と取材に来たOZONEのコンサルタントも加わって、全員で、徒歩2~3分にある大きな公園に向かいます。

公園には秋の落葉が沢山!どの葉っぱがフロッタージュに向いているか...、選びながらの落葉拾いです!

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"モノ"から"コト"へと広がる可能性

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「ニワビラキ ノ イエ」に戻って、大きなテーブルでフロッタージュを制作しながら、楽しい会話が弾みます。フロッタージュというイベントを共有することで、様々な立場と年代の参加者同士の交流が生まれることを、肌で感じられた一日となりました。

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※東京経済大学 キャリアデザイン実践特別ゼミ 地域創生PJのインスタグラム
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<建築家から>

ニワビラキ ノ イエは吉祥寺駅から徒歩20分程度の閑静な住宅街にある、築50年程度の空き家でした。特徴としては2面道路に面して10坪程度の庭に、手入れされた松や柚子の木がありました。このような敷地条件で、施主の要望は空家を、事務所兼シェアスペースとして有効利用することを望まれました。改修後は地域の人々が集まり、色々な活動がうまれるような場をイメージされていました。そこで改修のコンセプトを"ちいきといえをつなぐにわ"として、"ニワビラキ ノ イエ"としました。既存では塀に囲まれた庭部分を、オープンな空間に改修し、地域にひらかれた空間としました。そして、1FのLDK空間をシェアスペースとして地域にひらくことによって、様々なアクティビティがうまれる場所としました。庭をひらき人々が集える場所とすることで、地域活動や交流の場となることをコンセプトとしました。

<お客様から>

先日はニワビラキ ノ イエにお越しいただきまして、ありがとうございました。
学生さんたちのフロッタージュワークショップも無事に終了して、ほっとしました。
1年半前に久保さんの「KICS House」の見学にお誘いいただいた所から始まった実家の改築ですが、まさか、レンタルスペースとして実家が生まれ変わるとは思ってもいなかったです。「KICS House」を訪れてから、どうやら生まれ育った土地に引き戻されているように感じています。様々な皆様のお陰でなんとか無事にスタートすることができました。

私は実家の改築をしてみて、ライフシフトは人間だけでなく、家にもあるのだなということがわかり、携わっている活動(※)でもそんな観点を取り入れようかと感じました。
ニワビラキ ノ イエは、様々な年代の方に活用していただき、世代を超えた新たな物が生み出されるような場にできればと思います。

※一般社団法人日本ライフシフト協会

詳細情報
●所在地:東京都
●構造:木造2階建て
●改修対象面積:47㎡
●コース申込:2023年5月
●設計:2024年2月15日〜2024年5月15日
●工事期間:2024年5月16日〜2024年9月30日
●担当コンサルタント:村松葉子・渡辺理恵
●設計:H2DO一級建築士事務所 久保和樹
●施工:株式会社 内田産業

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