OZONE住まいづくりコンサルタントの旅行記。京都に続いて、兵庫・大阪編です。一級建築士ならではの視点をお楽しみください。
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2日目は兵庫県芦屋から大阪中之島へ移動。昨日が結構ハードだったので、本日の予定は2カ所です。いずれも行きたかった建物。楽しみに向かいます。
駅から芦屋川沿いにせっせと丘を登って行きます。暑いしタクシーにすればよかったなぁ・・・、と弱音を吐いた頃、左側にヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)の敷地の入口が見えてきました。
旧山邑家住宅は、兵庫県芦屋市にある、灘五郷の造り酒屋・櫻正宗の八代目当主山邑太左衛門の別邸としてアメリカ人建築家フランク・ロイド・ライト が設計した建物で、現在重要文化財に指定されています。
建築界の巨匠フランク・ロイド・ライトは皆さんもよくご存じですね。お客様がOZONEの無料相談にいらした際にも、好きな建築家にあげられることがしばしばあります。
目白と池袋の間に位置する、ライト設計の自由学園明日館には何度か行ったことがありますが、ヨドコウ迎賓館はこれまで気になりながらも東京から行きづらい印象があり、今回、意を決しての訪問です。
2階の大広間に模型が置いてありました。海を一望できる高台に建築された建物は、模型向かって左側のエントランスから斜面に沿って緩やかに4層昇って行く構成です。煙突が2カ所見えますが、そこはここ接客用の大広間と最上階の書斎となります。それぞれ海が見晴らせるテラスが配されています。
正面の開口部の外はテラスです。部屋の両側に大きな窓、そして上部にはたくさんの小さな欄間窓が。当日は窓全て開放され、大阪湾からの海風が心地よく室内を通り抜けていました。とっても風通しが良い!
部屋の入口側を見返したところ。大谷石の暖炉があります。左側が大広間の入口ドアです。
なぜか有効幅が60㎝ほど。皆さんスリムだったんですね。
3階の和室前の広い廊下。廊下の右側の小上がりになっている部分が続き間の和室となっています。ライトの設計時にはなかった和室ですが、実施設計段階で遠藤新らが施主の強い希望で和室に変更したそうです。
和室の欄間窓も大広間と同じデザインで統一されています。どこもかしこも工芸品のように手が込んだ造りです!
最上階は書斎です。現在は当初とは違う家具が置かれています。最上階の欄間窓はまたまたディテールが細かい。ちゃんと開閉できます。良く大工さんの手が入ったなと感心・・・。
設計者のこだわりと造り手の技量の賜物です。
書斎の外のテラスからの見返り。よく紹介されるアングルを撮影!
永年気になっていたヨドコウ迎賓館を見るというミッションが片付いて、何だかとてもほっとしました。
次は大阪中之島へ。
忽然と現れる黒い建物。
公募型設計競技により、遠藤克彦建築研究所の設計案が最優秀案として選ばれました。今年2022年2月2日に開館したばかりです。ここでは、結構好きな「展覧会 岡本太郎」を見ることに。
2階入口を入ると5階建ての高~い吹抜けに大エスカレーターや階段、渡り廊下が交差しています。上から手摺越しに見下ろすと、私には怖いくらいの高さでした!ちょっとクラクラします・・・。
1階からの見上げです。
写真奥に、街路に面した気持ちの良いレストランがあり、そこで夕食。自分の携帯からオーダーするシステムで焦ります!
さて、「展覧会 岡本太郎」に入場すると、結構若い方々が多く、太郎さん(以前から好きなのでこう呼ばせてもらいます)は老若男女に幅広いファンがいるんだと再認識した次第です。2025年の大阪万博への期待に向けて、1970年大阪万博の太陽の塔の人気が衰えないのか・・・。
はたまた、『展覧会 岡本太郎』のプロモーション用に製作されたという、TAROMANが大活躍する優れもの企画『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』がNHK教育テレビで放送された宣伝効果かも?
最近では、太郎さんに関する書籍も多数出版されていますね。
「展覧会 岡本太郎」はアートの種類や作品数も大変多く、とても楽しめる展覧会でした。
(10月18日からは東京にも巡回する予定です。おすすめですよ!)
「展覧会 岡本太郎」を見た後は最上階の5階へ。大きくとられた天井照明。
企画展示コーナーでは企画展を開催していました。
最後は、中ノ島美術館の夕景写真で締めくくります。巨大猫アートのヘルメットに灯りがともり、思わず「さようなら」と挨拶して帰京の途につきました。
2日に渡っての京都・大阪見学の終了です。
(2022年10月記 OZONE住まいづくりコンサルタント 村松葉子)
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