工務店(建設会社含む)は、地域密着型で設計から工事、アフターメンテナンスまでしっかりと面倒をみてくれるのが魅力です。世の中には、分譲住宅のように、同じような間取り・材料で何棟もの家を効率的につくるタイプの工務店などもありますが、ここでは建て主の建てたい注文住宅にじっくりと付き合ってくれるタイプの工務店に限定してご説明します。
工務店は家づくりに必要な材料と職人の手配をし、住宅の完成までを統率する役割を果たします。建築家が設計した住宅も、多くのハウスメーカーの住宅も、工務店(工事会社)が工事をします。「工務店との家づくり」では、そんな工事のプロと直接顔を合わせた家づくりを楽しむことができます。
「現場」にいる工務店は、どのように建てればメンテナンスがしやすいか、永くしっかりと維持できるか、などを自分たちの目と腕で知っています。工務店の経験と知識を土台につくる家づくりは、何より実直で安心できるものです。
会社の規模が小さく、少ない棟数を1つずつ建てているからこそ、小回りがききやすいという面があります。技術と手間のかかる仕事も、いい家をつくりたいという思いのある職人たちにとっては苦にならない仕事のようです。
「現場」にいる工務店は、どのように建てればコストを下げられるかなど具体的なアイデアを持っています。また、部分的な施主工事(壁塗りは自分たちで、等)なども理解し、協力してくれることもあります。
設計から工事、完成後のメンテナンスの相談まで、一貫して同じ相手と付き合い続けることができます。体調がすぐれないときにすぐに相談できる「かかりつけ医」が、自分たちの住まいにもいるようなものです。
実際に工事をした建物やモデルハウスを見学しながら候補とする工務店を絞り込んでいきます。
自分たちの暮らしや家づくりの希望と条件を整理したら、複数の工務店を比較検討し、依頼する工務店を決めます。この段階では、仮契約や設計契約を結びます。
工事に入ってから設計を変更するのは難しいので、見落としや勘違いがないかを確認しながら詳細な設計内容を決めます。
工務店と十分に話し合い、図面や見積りが整ったら工事請負契約を結びます。工事中の現場にも出向き、工事が設計通りに進んでいるかどうかを確認します。
※工事中に第3者の検査を利用する方法もあります。
家が完成したら、引渡しを受ける前にしっかり確認しましょう。手直しが必要なところはないか、残工事がないか、保証書や説明書のやり取りなども事前に確認しておきます。
工務店との家づくりでも、具体的な設計内容や見積り金額が決まってから工事契約をするという、建て主にとって本来あるべき契約の流れをとりたいものです。そこで最近は、依頼したい工務店が決まったら、まずは「仮契約」や「設計契約」を結び、詳細な設計打ち合わせと見積り調整を行なったうえで「工事請負契約」を結び、工事をスタートするというケースが増えてきました。
「工務店との家づくりのメリットはたくさんありますが、そのメリットを生かせるかどうかは工務店の経営者の考え方次第です。工務店にも様々なタイプがあることを知り、具体的な理念の見える工務店を選びましょう。
「新しい情報を吸収しよう、勉強しよう」という意識がない工務店では、ずっと同じ情報だけで家づくりを続けているというケースもあります。新しいことにチャレンジする意欲のある工務店を選びましょう。
規模の小さな工務店との家づくりでは、完成前に倒産事故が起きないとは言い切れません。経営の安定した工務店を選ぶことや、万一の事態に備える「完成保証」などを検討してみるとよいでしょう。
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