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リフォームの考え方

戸建住宅をリフォームする場合、大きく分けて増築する場合と改装する場合があります。増築とは床面積を増やして家を建て増しすることで、改装とは床面積を増やさないで既存部分に手を入れることです(増築工事の際には、接する既存部分も補修を行なうことから、一般的には増改築工事と言われます)。また、マンションのリフォームでは、間取りの変更や居住性を高める改装工事になりますが、水まわりの移動ができない事もあります。いずれにしても個人の所有である専有部分が工事範囲となります。どちらの住まいをリフォームする場合でも、現在の住まいの状態・生活スタイル・予算などを考え合わせ、専門家と相談しながら計画を立てましょう。

■リフォームの際に気を付けたいこと

戸建住宅やマンションなど、住まいをリフォームする際には以下のポイントに気を付けて計画を立ててください。

リフォームの目的をはっきりさせ、必要な工事を判断する

リフォームは工事内容や規模の幅が広いのですが、目的を明確にすることで、どんな工事が必要かがわかってきます。

  • 改修工事 機器の取り換えやクロスの張り替え、外壁の美装などを行ないます。
  • 改装工事 間取りの変更や、性能・機能・デザイン性を高める工事です。住まいの快適性や安全性をグレードアップします。最近ではマンションを対象にリノベーションとも言われています。
  • 増改築工事 家族構成の変化などで増築や間取りを変更する工事です。小規模な工事から、全体にわたる大規模工事まで、幅広くあります。使いやすさや性能のグレードアップを図り、設備機器や建材の取り換えをする場合は、新築に近い姿によみがえります。
  • ※その他、オフィスなどを用途転換し、新たに住宅として再生する「コンバージョン」と言われる工事等もあります。

いずれも専門的な技術が必要な工事のため、専門家に相談しながら工事を進めていきましょう。建築士・デザイナー・コーディネーターなど、どの専門家に相談するのが適当かは、工事内容によって判断します。

リフォーム箇所の優先順位を決める

問題の重要度や緊急度に応じて、リフォーム箇所の優先順位を決めます。現状だけでなく10年ぐらい先まで考えて検討し ましょう。まとめてできることを一度にすると無駄のないリフォームができますが、予算が足りない場合や工事期間中の引っ越しがむずかしい場合などは工事を 2、3回に分けて行なうこともあります。その場合も工事を依頼する業者にリフォームの全体像を伝え、今回何をまとめてすべきか相談してください。

リフォームではゆとりをもった資金計画を立てる

リフォームにかかる費用は、工事の規模や住宅の広さによって違います。また、しっかり計画を立ててリフォームを始めても、いざ取りかかると、意外な老朽箇所を見つけたり、他の部分の手直しもしたくなることも。資金計画は全体的にゆとりをもって考え、契約の段階では予算8割ぐらいの工事内容にしておくと無難です。

■戸建住宅のリフォームの特徴

戸建住宅のリフォームでは、大規模増改築から小規模改修まで、工事範囲が幅広く考えられます。リフォームの目的や規模、工事予算を決めて進めると、工事内容がおのずと決まってきます。

リフォームの時期

住宅の平均建て替え年数は、木造で26年と言われていました。このことは一部粗悪な住宅があったこと、バブル時代社会の変動が激しく、社会的寿命がなくなったことなどの理由があります。リフォームの時期は、家族構成が変化したり、設備機器の取り換えや建材の補修時が最適です。部分的な改修を行なうことで、家の耐用年数を延ばすことができます。目安として設備機器や外装建材のメーカーの保証は、10年といわれていますが、使い方や細やかなメンテナンスにより、それ以上に使用できます。状況を見て専門家による診断を受けることをおすすめします。

快適性や安全性の向上

新築住宅は、年ごとに性能が高くなってきていますので、リフォームすることで既存住宅も新築時になかった快適性を入手することができます。安全性(耐震)・断熱性(省エネルギー)・防犯性等が住まいの安心につながり、資産価値も高まります。また、キッチンや浴室は快適な空間が次々に提案されていますので、リフォーム後の性能・機能・デザイン性の変化を一番実感できるところです。

■マンションのリフォームの特徴

戸建住宅と比較してマンションリフォームは、多くの制約があります。限られた条件の中でも、機能・性能・デザイン性のグレードアップは十分可能です(マンション全体で行なう配管の交換や大規模修繕工事とは分けて考えます)。

リフォームの時期

内装の汚れや設備機器の老朽化が気になりだしたり、快適さを向上させたいと思ったときが、リフォームを計画する最適な時期です。購 入時とはライフスタイルも変化しています。現在の生活で不快な部分、不便な部分、リフォームの要望を整理しておくといいでしょう。また、長期間工事が必要 な場合は、家族の状況だけではなく、受験期の子どもが多くいるマンションではその時期を避けるなど近隣への配慮も大切です。

リフォームできるのは専有部分のみ

個人が所有している専有部分だけの工事となりますので、窓のサッシ工事や、床・壁・天井・柱・梁などの構造躯体をいじることはできません。や むを得ない場合は、マンション理事会の承認が必要となります。また、マンションの管理規約には、工事の進め方や、性能などに制約があるようです。特に床の 防音性能に関しては、階下への音の配慮から規定していることが多いようです。事前に確認し管理組合の許可が必要なものは準備をしておきましょう。

水まわりのリフォームについて

マンションで水まわりのリフォームをする場合、排水管の勾配の関係で移動できないこともあります。プランは専門家と相談しながら進めましょう。キッチンや浴室など、機能性・デザイン性とも、高い商品が多く開発されています。各メーカーがショールーム等でその快適性をアピールしています。事前に情報収集し、イメージを作っておきましょう。

リフォームすることで、住まいの機能性や安全性が高まり、家族がますます快適に暮らせる家をつくることができます。しっかりとした設計計画と資金計画を立て、リフォームを成功させてください

(2018.3.2記)

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