親世代から子世帯へと家を引き継ぐ場合、築年数が50年以上、時には90年以上という住まいも見受けられます。このような、昭和・大正の趣きを残す木造住宅をリフォームし、今後も永く住み続けたいと希望する方は、ほぼ全員が耐震補強、温熱環境の改善を希望されます。
まずは耐震診断をしてもらうと、数値で《見える化》出来て、補強の具体的な方向性が見えてきます。 現在、新築の場合の耐震基準は、耐震等級1(確認申請をクリアするレベル)→2→3という数字での評価が設定されていて、 数値が大きい程、地震に強い家と言う事になります。
一方、現在の耐震基準に合わない古い家は、耐震診断の結果が1以下の数値になる事が多く、例えば0.6や0.4と言う数値だったり、もっと小さい場合もありますので、ビックリしてしまうかも知れません。
加えて、基礎をどこまで耐震補強すべきか?という問題も出て来ます。
勿論両方出来れば良いのですが、工事金額がドンドン上がってしまいますので、一般的には、リフォームの予算を考えながら、上部の木造部分から強化して行きます。
また、工事金額は大幅に上がりますが、スケルトンリフォームにすれば、ほぼ柱・梁だけを残す状態になる為、基礎が現しになって、補強もしっかりと出来るようになります。
断熱材を入れ、サッシも取り替えれば、気密も良くなり、断熱性能もアップして、温熱環境を大いに改善させる事も可能です。
全てに完璧を求めると、リフォームと建て替えが、同じ位の金額になってしまう訳ですから、施工者によっては、建て替えた方が安い(床面積は程々にして)と言って来る会社もあったりで、多くの方はどうしたら良いのかと迷ってしまいます。
それでも、今の家の面影を何よりも大事にしたいとお考えであれば、悩んだ末に、リフォームを選ぶ事になります。 現状の雰囲気の住宅は、一度壊したら、再建する事は難しいですし、古き良き家を残せる事は、とても素晴らしい事!と言う選択です。 また、結果的には建て替えを選択する場合であっても、一部の建具(ドア、障子、欄間など)や無垢の板材などを再利用して、思い出を残す事もできます。
(2020.7.14記)
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