建築家で大成功のリノベーションvol.1「意匠性と環境性能を両立させた、住宅でありながら店舗のような空間」建築家：久保和樹さん

2022年に完成した "建築家に頼んで大成功"の住宅実例を、登録建築家自身がご紹介します。

都心にあるマンションで南側が国道で空間が開かれており、良好な採光とともに騒音の問題も懸念されました。角部屋のため夏場の西日対策も必要となりました。
施主は在宅ワークもあり、LDKは住宅でありながらもレストランやカフェをイメージした店舗でもあるような空間を望まれました。
間取りとしては、北側に水廻りと寝室とキッチンをコンパクトにまとめ、寝室には音楽制作スペース、水廻りにはコンパクトなワークデスクを設置しました。

残りをワンルームとして、都市に接する南側と西側に抽象的な開口部を設けた間仕切りを設置し、都市に開かれていながら住居としてのプライバシーがある、住宅と都市の"あいだ"のような空間としました。間仕切りによってうまれた緩衝ゾーンは、騒音や西日対策となり、良好な室内環境をつくります。その結果、都心の喧騒から距離をとりつつも、都市の一部であるようなプライベートスペースとなり、環境性能と意匠性を両立させた、生活も仕事も快適にできる、抽象的で心地よい空間となりました。
施主の物件購入の際には、要望から必要な大きさや、リノベーションをしやすい物件のポイントをアドバイスしました。

オープンな南側バッファゾーン

将来は子供部屋など、個室に

西側バッファゾーン

平面図

キッチン

化粧台

寝室

詳細情報

●家族構成：単世帯
●延べ床面積：80㎡
●竣工：2022年
●構造：RC造（マンション）
●Photo：Ryota Atarashi

建築家：久保和樹さん

私は、「クライアント参加型のいえづくり」を、積極的にとり入れています。いえづくりワークショップでは参加者にいえづくりを考え、体験して頂きます。その結果、参加者と設計者がより深くいえに関して情報共有ができます。クライアントDIY施工では、床や家具のオイル塗装をお勧めしています。いえづくりにクライアントが参加することで、コストダウンやセルフメンテナンスが可能となり、何より家に対する愛着がうまれると考えています。

久保和樹さんのプロフィール

（2023年2月記）