2021年に完成した "今ならでは"の住宅実例を、登録建築家自身がご紹介します。初回は石川淳さん。
職場と趣味室をかけあわせた住まいです。
天井に猫の通勤路のある執務室です。
お施主様は士業のご夫婦で「朝から夜まで長時間のお仕事のため通勤の時間が無駄」「飼い猫たちとのふれあい時間も取りにくい」といったご不満をもたれていました。
そこで、事務所併用住宅を建築し、併せて趣味のための部屋を作りました。
提案した外観は家らしさを持ちながら、事務所っぽい雰囲気のガラス貼りの玄関をもつデザインです。
エントランスは事務所と住まいを同じ1箇所として人の出入りを把握しやすくしています。
入ってすぐ右側には趣味のヨガなどを数人で行える多目的室を置きました。玄関からすぐの位置にし、仕事で来る人との動線分離もわかりやすくしました。
壁には一面鏡を貼って床にはバレエ教室の床などに貼る弾性系の長尺シート貼りです。
お仕事の間の昼休みなど、ちょっとした時間の合間に効率良く運動や気分転換の瞑想をすることができます。
大人数での打ち合わせも可能な大会議室としても使用します。
新築前は自宅に置いて来た猫たちも、2階の住戸からキャットウオークを使って1階におりてきます。
1階を自由に動かれると仕事に支障が起きますので、透明板で区切られた「通勤路」を通って餌入れのある小スペースまで「通勤」できるようにしました。
仕事の合間のちょっとした瞬間も、猫たちの様子を見上げるとリラックスできる時間に早変わり。
1階から2階の住戸への階段はミニマルなデザインにして私生活の空間へ気分を変える通路に。
職住統一の建物の場合、外に生活感が出ないようにしたいもの。
また、外の様子が見えすぎるのも平日と休日の気分の違いを出しづらくなります。
そのため、リビングへの採光の大きな窓は屋上バルコニーに開ける事に。
プライベートな空を切り取り、隣家を気にせず過ごせます。
冷暖房は輻射型のラジエター式の装置を壁に配置。
エアコンでは部屋の空気をかき回してホコリやウイルスを「かくはん」してしまいますが、輻射式では風を起こさず、直接人間に熱や冷気を送り届けます。
その上で24時間換気扇を使って部屋の中を常に新鮮空気が供給されるように設備計画を行っています。
換気が重要な現代に向いている冷暖房器機です。
リビングの一角には壁を彫り込んだアルコーブがあります。
棚の上には猫たちの飲み水や餌を置き、床の穴からは1階の事務所へ出かけることができます。
在宅が長くなりペットを飼う人が増えたとか。
猫たちが家の中でも楽しく過ごせ、それを見守る飼い主も幸せな気持ちになりますね。
性能やコストや環境といったキーワードが溢れていますが、それらを満たすのは住宅としては当たり前の事です。 それよりも、好きなデザインの洋服を着ると素敵な気分になるように 素敵なデザインの住宅で暮らす生活はとても楽しく豊な気持ちになるものです。 そのような住宅を作りたいと考えています。
石川淳さんプロフィール>>(2022.8月記)
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