2021年に完成した "今ならでは"の住宅実例を、登録建築家自身がご紹介します。奥さまの積年の思いをついに形にしたマンションの住戸リフォームです。
「和室やキッチンを仕切る壁がなかったら広々するだろうな」と思い、自分なりにプランを考え、イメージを膨らませていた建て主の方。
新型コロナにより夫婦ともに在宅ワークが増えて生活スタイルが変わったことを機に、長年の夢の実現に踏み出されました。
【before】
細かく区切られた台所・居間・和室をよりオープンな一室にし、和室だったところを居間に、居間だったところを食堂に配置替え。
【after】
収納ゾーンを廊下から使える島型の大収納にまとめ、行き止まりとなっていた廊下にLDKへ出入り口を増やして、回遊できる動線としました。
廊下と台所、観葉植物を置く窓際をタイル貼りにして、居間と食堂はお気に入りのウォールナットのフローリングに改修。
LDKに増やした建具は、ヨーロッパでの暮らしの思い出の品々や、年月を経た風合いを感じられるお持ちの家具とバランスを取るように、アンティークのドアを購入してリサイズし、ブライワックスで着色、アイアン金物のバーンドアに仕立てました。
最上階の角部屋にあたるこの住戸。冬の寒さや結露による壁や床の劣化、天井面からの輻射による夏の暑さ解消のために、天井と壁の一部に断熱材を補強。北側の窓には内窓を取付けました。
北西角で結露によりカビてしまっていた子供室は、窓際の断熱補強とともに、寝室との間の壁に通風用の欄間を設けて、南北に風が自然と流れるようにしています。
廊下の収納は、持ち物の量を把握し、入れる物の種類や大きさによって奥行きの深い収納を無駄なく計画。
お持ちの鏡を玄関正面になるように飾り、かつ収納の物の出し入れがスムーズにできるようしたいとのご要望を叶えるべく、鏡を木枠に嵌め込んだ引き戸と6枚の折れ戸を組み合わせ、2種類の収納扉が一本の吊りレールで動く収納扉を製作しました。
白を基調としつつも綺麗すぎない仕上げとなるように、アンティークのバーンドアと木部の色をあわせて統一感を持たせています。
住宅の設計は、対話を通して建て主の思いを読み解き、ライフスタイルを反映させたカタチにしていくことだと考えています。 私たちは家づくりのパートナーとして、男女双方の視点を活かし、コミュニケーションを大切にし、柔軟な発想とアイデアで家づくりにむかいます。 気持ちよく暮らせる楽しい住まいを一緒につくっていきましょう。
石井正博さん、近藤民子さんプロフィール >>
(2022.8記)
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